フィフティ・フィフティ
一般の揉みほぐしマッサージが目的にするのは、患者や顧客のコリをほぐし、疲れをいやし、施術への満足感を高めることです。
メソッドの主眼はゲストであり、その点で顧客志向と言ってよいでしょう。デリムはゲストを含めたクライアントを尊重します。
しかし実のところ、デリムでクライアントが占めるウェートはフィフティ(50)でしかありません。残りのフィフティを占めるのはセラピストです。
両者は対等で、クライアントと変わらぬ地位でセラピストを尊重します。
この特徴は、サロン経営を兼ねる揉みほぐしトレーナーがデリムを探求したことによります。当人がセラピストであり、ほぐし揉みによって身体を痛めた経験があるからです。
だからこそ分かる。顧客は確かに大切ですが、事業を進展させるにあたってセラピストは、顧客と同じくらい大切な存在だと考えるのです。
ツイン志向
相対する2つの存在を尊重するのが「ツイン志向」です。通常はどちらか一方がより優先されるため、かなり珍しいスタイルです。
デリムの技法が「身体にやさしい」のは、クライアントのみならずセラピストにも当てはまります。
たとえば、ゆっくりと圧を加え、弛めながら抜いていくDプレスには、セラピストの指や肘、手首への負担を軽減させる狙いがあります。
クライアントの「揉み返し」と共にセラピストの「揉み痛め」も減ります。
このように両者が共にプラスとなるメソッドはとても有益です。デリムでは、クライアント志向とセラピスト志向が併存します。
メソッドの真価
問題となるのはツイン志向の両者で衝突が生じるケースです。
「クライアントにはとても良いかも知れないが、それではセラピストが辛く大変になってしまう」。あるいは反対に「セラピストには確かに良いかも知れないが、それではクライアントが満足しない」といったものです。
どちらかに我慢を強いるバランスの取り方もあります。ただし現実には、仕事として報酬を受け取る以上、セラピスト個人として、最終的に自分よりもゲストを優先してしまう選択になってしまうことでしょう。
しかしそれはデリムメソッドの真価ではありません。「二兎を追う者は一兎をも得ず」という諺がありますが、それでも二兎を追う工夫をします。
クライアントとセラピストを共に尊重し、両者をバランス良く追求する。それがデリム本来の理念なのです。