リズムが気持ちよい
デリムは「気持ちよい」技法です。ゆっくりと身体に圧が加わり、それが徐々に弛められていくプロセスでクライアントは心身からリラックスすることができます。
揉みほぐしでは整体師のような役割で活躍するセラピストが多く見られますが、デリムはどちらかといえばリラクゼーショナーに近い役割です。手技もかなり異なります。前者を文字通り「ほぐし揉み」とするなら「いやし揉み」と表現できます。
ほぐし揉みにはツボやコリを早いテンポでグリグリ施術してくれる気持ちよさがあります。それに慣れている人には当初、デリムのゆったり感に物足りなさを感じるかもしれません。
しかしリズムの気持ちよさはデリムの真骨頂です。疲れている人はもちろん、あまり疲れていない人やコリの軽い人でも気持ちよさを感じてもらえます。
整体揉みにはクライアント身体によって合う、合わないといった個人差が生じるこがありますが、デリムは様々な人に受け入れられやすい傾向があります。
疲れをいやす
デリムは「疲れをいやす」技法です。体幹や各部位のセンターゾーン(中心点や中央ライン)にきちんと圧を加え、ゆっくり抜いていきます。センターゾーンには東洋医学のツボが集まっています。仕上げにヘッドマッサージを重視する点も特徴です。
腕や足を動かすことがあっても自然な体位を心がけ、クライアントがなるべくリラックスできる姿勢で施術することをデリムは優先します。コリをほぐすために特別な姿勢や体位を利用することはあまりありません。
どのような技法であっても揉みほぐしには疲れをいやす効果があります。デリムでは特にいやしを重視します。いやしを通じて、結果的にほぐしの効果も得られます。
体幹をほぐす
デリムは「体幹をほぐす」技法です。ほぐし揉みでは首や肩、足などの疲れている部位につい意識が向きますが、疲れをいやす目的のために最初に体幹をほぐします。
人体を木に見立てた場合、幹にしっかり栄養を与えることによって、枝葉が元気になるように、まず胴体をいやすことで部位のほぐし効果も高まり、持続性が増します。
短時間のデリムでも全身が楽になったとクライアントが感じるのは、この体幹のほぐしがあるからです。デリムを受けた直後~30分後程には、身体が軽くなってスッキリした印象が得られるはずです。
揉み返しが少ない
デリムは「身体にやさしい」技法です。強く揉み過ぎることによって筋肉痛のような痛みが生じることを「揉み返し」といいます。不規則な圧で力任せに揉まれることで筋肉が炎症を起こします。
デリムでは意図的にゆっくりと圧を加え、ゆるめながら抜いていくので「揉み返し」が極端に少なく、仮にあっても軽く済むという長所があります。
揉み返しにも良いものと、あまり好ましくないものがあります。デリムの揉み返しはほとんどが好転反応です。揉み返しが収まることによりいっそう楽になったと実感できます。
デリムの特徴Ⅰ
クライアントにとってのデリムをまとめます。
クライアントにとって
- リズムが気持ちよく、様々なクライアントに受け入れられやすいメソッドです。
- ほぐしよりもいやしを重視しますが、結果的にほぐし効果も得られるメソッドです。
- 体幹を重視することでクライアントの満足感とほぐしの持続性が高まるメソッドです。
- 身体にやさしい圧の技法であることからクライアントの揉み返しが少ないメソッドです。